文通とは? 文通の歴史や魅力を解説
こんにちは、文通アプリ「レイター」の開発者です。
みなさんは文通をしたことはありますか?
知ってはいるけどやったことはないという人が多いのではないでしょうか?
この記事ではそんな人に向けて、文通の歴史や成り立ち、その魅力をお伝えしたいと思います。
文通とは?
文通とは、手紙を交換することによって、遠く離れた人とコミュニケーションを取る活動のことです。
手紙による文通は古くから人々が情報や感情を伝えることができる貴重な手段でした。
しかし、現代では電話やインターネット通信技術の発達により、SNSやメールとは異なり、より個人的で温かみのあるコミュニケーションができる手段としての意味合いが強くなりました。
文通の歴史や成り立ち
日本では平安時代から手紙文化が始まった
日本では古くから木簡に墨で文字を書いて届けるという手紙の前身になる通信手段がありましたが、紙に文字を書いて送るということが盛んになったのは平安時代からでした。
しかし、この時の手紙のやりとりができたのは貴族などの限られた人のみです。
一般に手紙が普及したのは明治から
日本で郵便というシステムが始まったのは、1871年(明治4年)に「日本近代郵便の父」と呼ばれる前島密(まえじま ひそか)が郵便事業を開始した時からです。
これ以前でも町の有力者などは飛脚に手紙を運ばせていましたが、郵便の開始によって一般人の中でも手紙のやりとりができるようになりました。
(参考:【前島密‐日本郵政】https://www.japanpost.jp/corporate/milestone/founder/)
ちなみに世界で郵便のスタートしたのはイギリスが最初で、1840年から近代郵便制度が始まっています。
世界最初の切手もイギリスで発行されました。
(参考:【日本の郵便制度のはじまり『渋沢栄一と前島密』 】https://shibusawa-world.net/blog/2978/)
郵便友の会の発足
戦後の混乱が続いている1949年(昭和24年)に、文通の喜びやすばらしさを教えられた中高生たちが名古屋市内で郵便友の会(現在の「青少年ペンフレンドクラブ」)が発足させました。
これにより日本で文通の文化が広まっていきます。
(参考:【PFCの歴史】https://www.pfc.post.japanpost.jp/history/index.html)
昔は雑誌にペンフレンド募集欄があった
1960~70年代、10代向けの雑誌には「ペンフレンド募集欄」というコーナーがよく設けられていました。
今では信じられませんが、名前や住所をここで公開し、文通相手を募っていました。
(参考:【(サザエさんをさがして)ペンフレンド 再び高まる手紙への関心】https://www.asahi.com/articles/DA3S15729841.html)
文通村の登場によりネット上で文通相手を探せるように
2009年に保科直樹がインターネット上で文通相手の募集と仲介を行う「文通村」というサービスを開始しました。
このサービスのおかげで、名前や住所を公開することなく、安全に文通を楽しめるようになりました。
(参考:桑畑 洋一郎, 2021, 「現代日本における文通に関する一考察」)
今では文通村以外にもいくつもネット上で文通相手を探せるサービスが存在しています。
→インターネット上で文通相手を募集する方法を10個紹介
文通の魅力
文通の魅力は多岐にわたりますが、特に心に残るのはその「時間を超えたコミュニケーション」と「心の交流」だと私は考えています。
時間を超えたコミュニケーション
文通の最大の特徴は、時間をかけて行うコミュニケーションであることです。手紙を書くには時間がかかり、また手紙が相手に届くまでにも時間がかかります。
この時間をかけることで、自分の思いや感情をじっくりと言葉にすることができます。
また、手紙を受け取ったときには、過去の自分と現在の自分がつながる独特の感覚を味わうこともできるのではないでしょうか?
このように、文通は瞬間的なコミュニケーションではなく、時間を超えた深いつながりを生み出すことができるのです。
心の交流
文通は、文字を通じて心を交わす活動です。手紙には、書く人の思いや感情、人柄が反映されると思っています。
相手からの手紙を読むことで、その人の内面や考え方を知ることができ、深い理解や共感を得ることができるでしょう。
また、自分の心を言葉にすることは自己理解を深めることにも繋がります。
このように、文通は相手との心の交流を通じて、互いの理解を深め、友情を育むことができるのです。
文通のこれから
今はSNS全盛の時代です、郵便物の流通数も年々減っていっています。
しかし、2023年4月にはリプ文通という新しい文通サービスが始まったり、Slowlyやレイターという文通アプリが登場したりと、新しい形の文通が盛り上がろうとしています。
全体として文通という文化は縮小していくとは思いますが、文通の本質である「文章と文章の丁寧なやり取り」という文化はいつまでの消えないのではないでしょうか?
現代では、あえてフィルムカメラを使ったり、レコード盤で音楽を聴くというようなアナログ回帰のブームがあったり、SNS疲れを感じる人も多いため、文通という文化は今後も魅力的であり続けるはずです。
まとめ
以上が、文通の歴史とその魅力についての解説です。
ITが発達し、忙しなく情報が行き交う現代だからこそ、あえて足と止めてスローペースで人と向き合うことができる文通がもっと多くの人に広まってくれたらいいなと思っています。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
なつ
文通アプリ「レイター」の開発と運営。普段はITエンジニアや会社経営をしています。SNSやそれを取り巻く文化が好きで、メジャーなSNSからマイナーなSNSまで様々なアプリを自分で使って試しています。